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兵庫球児100年のあしあと 19

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白球回想 夏の兵庫大会史

兵庫球児100年のあしあと 19

38回大会は県立尼崎の初優勝、39回は22年ぶりに育英が悲願の優勝飾った。

この時の選手の一人(江渡氏77歳)が現在、県立尼崎のコーチとして後輩たちをご指導されているそう。

100回目の兵庫の夏、大先輩と目指す甲子園。

何だか素敵だ。


第38回大会(1956年)

~県尼崎、全盛期の初栄光~


第38回大会で県尼崎を初の優勝に導いた今津光男投手
(兵庫県高校野球五十年史より)


1950年代に春4度、夏1度の甲子園出場を誇る県尼崎。

兵庫県大会を唯一制したのは今津光男(元中日、広島)がエースとして君臨した38回大会(56年)だ。


3度の完封に、準決勝は育英、決勝は洲本相手にそれぞれ1失点完投。

「背丈はなかったが、とにかく足腰が強かった。

運動場の端から端までうさぎ跳び。嫌々付き合わされました」。

今津の2学年下で、卒業後は近鉄でプレーした江渡辰郎(77)は苦笑交じりに振り返る。

プロ入りへの決意が強く、自分にも他人にも厳しかったという。


甲子園には59年の春以降遠ざかり、近年の尼崎勢では市尼崎を追う立場になった。

全盛期を知る江渡はアマチュア資格を取得。

昨春から母校のコーチを努め、孫の世代になった後輩たちを指導する。

「一歩一歩、前進です」と江渡。

往年の「県尼」復活を願う。


第39回大会(1957年)

~育英、22年ぶり返り咲き~


第39回兵庫大会を制し、戦後初めて夏の甲子園の土を踏む育英ナイン
(育英商・育英高校硬式野球部85年史より)


育英商時代の1935(昭和10)年夏に全国準優勝した名門が、

57年の第39回大会で戦後初の優勝を遂げた。

51年から3年続けて決勝で県芦屋に苦杯。

雌伏の時を経て22年ぶりに返り咲いた。


OBの源田忠一・青年監督の下、永井進(元阪急)ー戸梶正夫(元阪神など)の

バッテリーを擁し、全6試合でわずか1失点。

宿敵・県芦屋にも準々決勝で完封勝ちした。


ただ、春夏連続で出場した甲子園大会はともに初戦で敗れた。

夏は広島商に2度リードしながら延長十回の激闘の末、4-5でサヨナラ負け。

広島商は波に乗って全国優勝を果たした。

二塁手の木下正治は、同校野球部85年史(99年発行)に

「今もって広商に負けたと思えぬ」と記す。


捕手の戸梶は阪神に8年間在籍。

当時活躍した外国人投手、ジーン・バッキーとバッテリーを組み、存在感を光らせた。


神戸新聞 山本 哲志氏


兵庫球児100年のあしあと 1
激闘の譜 第100回へつなぐ
第1回大会(1915年)

兵庫球児100年のあしあと 2
第2回~9回大会(1916~1923年)

兵庫球児100年のあしあと 3
第10回~13回大会(1924~27年)

兵庫球児100年のあしあと 4
第14回大会(1928年)
第15回大会(1929年)

兵庫球児100年のあしあと 5
第16回大会(1930年)

兵庫球児100年のあしあと 6
第17回大会(1931年)

兵庫球児100年のあしあと 7
第18回~20回大会(1932~34年)

兵庫球児100年のあしあと 8
第21回大会(1935年)
第22回大会(1936年)

兵庫球児100年のあしあと 9
第23回大会(1937年)

兵庫球児100年のあしあと 10
第24回大会(1938年)

兵庫球児100年のあしあと 11
第25回大会(1939年)

兵庫球児100年のあしあと 12
第26回大会(1940年)


兵庫球児100年のあしあと 13
第27回大会(1941年)


兵庫球児100年のあしあと 14
第28回大会(1946年)
第29回大会(1947年)


兵庫球児100年のあしあと 15
第30回大会(1948年)
第31回大会(1949年)


兵庫球児100年のあしあと 16
第32回大会(1950年)


兵庫球児100年のあしあと 17
第33~35回大会(1951~53年)


兵庫球児100年のあしあと 18
第36回大会(1954年)
第37回大会(1955年)


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