あれから28年
今の夢・・・
もう一度、ユニホームを着て、自分の脚でグラウンドに立ちたい。
たとえそれが草野球であっても・・・。
1987年 甲子園春夏連覇を成し遂げたPL学園の正捕手
伊藤敬司氏の野球道、生きた証が綴られた一冊。
伊藤氏はPL学園を卒業後、青山学院へ進学し、その後社会人野球JR東海でプレーされた。
プロ野球選手を目指し、社会人3年目が過ぎ叶わない夢へとなった。
伊藤氏の野球人生での経験に、チームが強くなければ野球をしていても充実感、達成感は生まれないと、
何とか強いチームにしたいとJR東海の指導者としてもご活躍になられた。
都市対抗で優勝することを目標に。
その目標も夢半ばで野球から離れ、もう一度野球をと思った矢先
筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病に侵され闘病を続けてこられた。
この著書に出会ったのは一年半ほど前。
6月の末日、伊藤氏もこの著書をヘルパーさんの手助けを戴きながらご覧になられたそうです。
それから3ヶ月後の2015年10月8日
伊藤氏は、もう一度ユニホームを着て自分の足でグラウンドに立つという夢を叶えることなく旅立たれた。
今日は伊藤氏がお亡くなりなられて一年。
ご回復を願っていましたが本当に残念でショックでした。
なぜかは自分でも分からないのですが、
この著書は手元へ届いてから一年半、本棚ではなく自分の枕元へ置いていて、
ふともう一度読みたくなり読み返しました。
伊藤氏が夢叶え自分の足でたった甲子園。
今日は、その夢舞台へ立つために、兵庫球児たちが先日まで熱戦を繰り広げた明石球場へ
秋を終えた村野工業のみんなのその後が見たくて練習試合を観に行って来ました。
いつもは座ることのないバックネットの真ん中から、いつも手にしているカメラも今日は置いて行き、
頑張る選手たちの姿を観ていて思った。
目標、夢に向かって、一所懸命に野球に向き合えることができる日々があることは幸せだな・・・
何より元気に野球ができることに感謝だな・・・
元気に野球ができることを楽しんでいるかな・・・
元気に大好きな野球が観られることに感謝だな・・・
そう思った穏やかな一日だった。
~著書より抜粋~
伊藤 敬司氏
1969年 兵庫県生まれ
立浪和義、片山篤史、野村弘樹、橋本清らが在籍し
「史上最強」と称されたPL学園で正捕手を努め
1987年の甲子園春夏連覇に貢献。
卒業後は、青山学院大学を経て、JR東海に入社。
捕手、コーチとして長く野球部を支えた。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
厚生労働省の指定難病。
国内の患者数は昨年3月末時点で約9200人。
詳しい原因は分かっておらず、有効な治療法は確立されていない。
伊藤氏のご冥福を心よりお祈り致します。