長野県軽井沢高校野球部
(左から)遠山部長さん、磯山選手、小宮山マネージャーさん、漆原監督さん
先週末、ずっと行きたかった長野県松本と軽井沢へ野球旅に行って来ました。
今回の野球旅の目的は野球観戦ではなく、再会と元気を届ける野球旅です。
再会・・・
巻山 塁偉選手からいただいた書 「こつこつと」
甲子園きっぷ日記カテゴリーの名称を「春夏秋冬こつこつと」と変えるきっかけをいただいた
松本の球児 巻山 塁偉選手のことは以前ご紹介させていただきましたが、
2年前、夏の甲子園にいらした際、ご家族で私に会いに来て下さったことがあり、
いつか今度は私が松本へ行きお会いしたいなと、ずっと以前から思っていました。
野球旅・・・
昨夏、長野県大会が始まる少し前、たまたまネットで軽井沢高校野球部の漆原監督さんとマネージャーさんが書かれている
「監督ブログ 軽井沢から叫べ」というブログに書かれていたある日の日記を目にしたのが始まりでした。
その日の日記には、昨夏最後の夏を長野県でたったひとり誰よりも早く終えることになる
軽井沢高校野球部3年生 磯山選手のことが書かれてあり、監督さんの言葉から事情を知って
私に何かができるわけでもないのですが磯山選手の夏を残したいな、
遠くからではありますが気持ちを寄せて応援させていただきたいなという気持ちになり、
監督さんのブログをご紹介させていただいたことがあります。
その日の日記を転写させていただいた記事です。
『太陽のように輝くラストボールを!~軽井沢高校野球部 磯山洋介選手の最後の夏~』
その夏、長野へ行って磯山選手の夏を見てみたい!と思ったのですが・・・
自分の行動力が足りず実現することはありませんでした。
磯山選手の夏が終わりを告げたこと、その時の様子も監督さんのブログで知りました。
その後、軽井沢高校野球部は新チームになり、部員一人とマネージャーさんの活動が続き、
春になり新しい仲間がひとり増えたものの思うように活動ができない状況の中、
それでも頑張っている様子を、それからもずっと監督さんとマネージャーさんが更新されるブログで拝見していました。
ある時期、色々な事情でマネージャーさんが一人で活動するようになった様子や、
その状況の中で自分ができるベストな活動をと一所懸命行動されておられる姿、
周りの方々が自分と同じような気持ちで応援されておられる姿を拝見し、
どこかのタイミングで私も軽井沢高校野球部へ自分の足で
小宮山マネージャーさんの最後の夏までに会いに行きたい!
元気を届けに行きたい!
行こう!という気持ちが大きくなりました。
少し話しは逸れますが、野球への興味もなかった私が、あるひとつの試合を観たことで
高校野球に興味が湧き応援したい!と思うようになり、
選手やマネージャーさんたちの頑張る姿を自分の目で見て感じたことを残したい・・・と球場へ行くようになりました。
そこで初めて気付きました。
野球はグラウンドでプレイをしている選手たちだけではないことを・・・
上手く表現できないですが、スコアボードに刻まれる「0」の中には
グラウンドでプレイしている選手の力だけではなく、
色々な立ち位置の選手やマネージャーさんたちの力が含まれているんだと感じた時、
自分のしたい応援は、グラウンドプレイヤーの姿を残すだけじゃなく、
ベンチプレイヤー、スタンドプレイヤー、そして選手を支えているマネージャーさんたちの
「0」の中の頑張りをほんの少しでもいいから残したい・・・
そういう気持ちが湧き、今の自分の「応援」という姿勢の根っことなっていきました。
今回の軽井沢高校野球部への野球旅は、自己満足でしかないのかもしれないけれど
表現するならスコアボードに刻まれた「0」の中の頑張りを残したいという、
自分らしいな!と思う野球旅だったと思います。
そうは言っても、ネットの中でしか繋がっていないチームへの訪問はそう簡単ではありません。
まして私がどこの誰だか?どんな目的なのか?
こちらの勝手な気持ちだけで突然行きますと言っても相手も困るだろうな・・・
どうしよう?どうしたら実現するかな?会えないの覚悟で行くだけ行くか?何とかなるさ!などなど色々考えました。
そんな折、巻山 塁偉選手のお父さんの高校時代の後輩にあたられる
岩村田高校野球部 花岡監督さんと、軽井沢高校野球部 漆原監督さんとは良くご存知の仲なので
花岡監督さんを通して連絡は取れるよ!と、お連絡をいただきました。
そんな身近に繋がりがあることに驚きと嬉しさで、私は花岡監督さんとは全く面識もないのにご無理をお願いし、
漆原監督さんとお連絡を取らせていただくことができました。
花岡監督さん・・・お会いしたことはないのですが、
実は、昨夏の甲子園の開幕日に甲子園へ行き長野県代表 佐久長聖の試合を観戦したのですが、
その際、巻山さんから「後輩の息子さんが出場しているから応援してやってね」とお連絡をいただき
花岡選手のことを甲子園きっぷに書かせていただいたのです。
今回の話しには、その花岡選手と花岡監督さんが私の中で全く繋がっておらず、
軽井沢高校のグラウンドで漆原監督さんや遠山部長さんとお話しをさせていただく中で、
えっ?!あの花岡選手のお父さんが・・・花岡監督さん!と驚いたのです。
私は巻山さんと出逢い、花岡監督さんは巻山さんの高校野球時代の後輩だった。
昨夏、軽井沢高校 磯山選手のことを知り、甲子園で花岡選手を応援した。
花岡監督さんと漆原監督さんは良く知られる仲で・・・
これを偶然と呼ぶのか・・・いや、これは全て必然だったんだと、
野球の繋がりは本当凄い!と改めて思いました。
今回の軽井沢高校野球部への訪問が実現したのは、巻山さん、花岡監督さんのお力がなければ叶わなかったこと。
部員のみなさんの一所懸命な姿や、監督さん部長さんの部員に対する大きな想いが
自分の気持ちを軽井沢へ絶対行く!という気持ちにさせてくれたのです。
そして突然の訪問を、漆原監督さん、遠山部長さんが快く受け入れて下さったことに心より感謝致します。
野球旅の始まり・・・
兵庫から名古屋へ、そして木曽路の道のりにまだ雪残る雄大な山々を眺めながらそれまでの色々なことが浮かび、
本当に会えるんだと思うとワクワクというより、気持ちソワソワという感じでした。
旅の初日、これも念願だった松本城へ行ったり、巻山家のみなさんとの再会、
松本で頂いた郷土料理や美味しいお酒の話しは、また次の頁で書きたいと思います。
野球旅2日目・・・
いよいよ軽井沢高校野球部への訪問の日。
軽井沢町の標高は約940mと高く、左手にそびえる2500mを超える浅間山の雄大な景色に感動しながら念願の軽井沢高校へ到着。
お忙しい中、私のために時間を作って下さり、漆原監督さんのお心遣いをいただきグラウンドに入れて下さいました。
ブログで見ていたあのグラウンドが目の前に広がり、何とも表現し難いとても神聖な気持ちになりました。
小宮山マネージャーさんと会うことができた瞬間は、感動と実現できた嬉しさと、
今ここは本当に軽井沢高校のグラウンドなんだ・・・という不思議な感覚とが混じり胸いっぱいになりました。
そして、私が来るということで監督さんがお連絡して下さり、あの磯山選手がグラウンドへ来てくれたのです。
まさか磯山選手に会えると思っていなかったので本当に嬉しかったですし、
そして、磯山選手の夏を観に行けなかったことを改めて後悔する気持ちが湧きました。
遠山部長さんもグラウンドまで来て下さり、色々お話しをさせていただきました。
小宮山マネージャーさんからは、将来の夢を伺いました。
彼女は将来、看護士さんになりたいという夢を持っておられ、
きっかけは東日本大震災で人を助ける姿を見て、自分も誰かの役に立てることをしたいと思われたそうです。
中学時代は部活もしていなくて、高校ではその夢のためにも何か人の役になれることをしたいと、
野球部のマネージャーになろうと思ったと話してくれました。
立派な志を持っておられ、しっかり真のある素敵な女性だなと思いました。
「部活動は何のためにあるのだろうか?選手がいなければ当然野球の試合に向けた練習はできないが
練習ができないからマネージャーが活動する必要はないという考えにどうしたら結びつくのだろうか?」
「部活動を通して、人間としての成長を一番に考え、将来社会に通用する人間に育って欲しい」
「どんな活動だって、その目的を認識し活動していれば、絶対に他の部活にも劣らないものになると思うし、
ましてや必要がないなんて考えることはない」
ある日の監督さんのブログに小宮山マネージャーさんへの想いを綴られている言葉がありました。
そして、それは小宮山マネージャーさん自身がよく分かっていることだ・・・と。
とは言え、やはり選手や仲間が誰一人居ない中での活動は、彼女にとって苦しいこと、
悲しいこと、辛いこと、不安なことがいっぱいある中での活動であると思います。
それでも一人で、春に新しい仲間を迎えるために一所懸命考え行動している姿と、
将来の夢や、その夢のために行動しよう!と思ったと、強い意志を話してくれた彼女を重ねると、
彼女だから今を頑張れているんだな・・・
彼女だから軽井沢高校野球部のマネージャーという役割と縁があったんだろうなと実際に会って話してみてそう感じました。
何よりその状況の中で活動している彼女の気持ちを、一番近くで見守られておられる監督さんや部長さんが
気持ちに寄り添いベストな進み方を導かれながら、一番の応援者理解者であることが、
彼女が頑張れる大きな支えとなっていることに、三人で交わされる会話の空気の暖かさで感じました。
昨夏、長野県で一番短い夏を過ごした磯山選手ですが、あの夏を迎えるまでの道のりには
山あり谷あり、選手一人で野球を続けることへの不安や葛藤があったことは言うまでもなく、
二年生の冬「やめたい」・・・そんな追い詰められた気持ちになったそうです。
監督さん方とたくさん話しをし、最後まで頑張ろうと気持ちを前に向けたこともある日の日記で拝見していました。
磯山選手の最後の夏は、選手として仲間と一緒に甲子園を目指すこともチーム事情で許されず、
長野県大会開会式入場行進の先導役、開幕戦の始球式を努め、その一球が磯山選手の高校野球最後の一球となりました。
大会前、佐久長聖と上田西のベンチ入りを果たせなかった選手たちの引退試合を観戦した磯山選手は、
「引退していく選手たちが楽しんで全力でやっている姿が印象に残りました。
ただ、その反面 心のどこかには悔しさがあると思います。
全部は気持ちわかっているわけではないと思うけど、少なくとも、自分は彼らの思いも一球に込めて投げたいです」
と言葉を残しています。
全部は気持ちわかっているわけではない・・・
自分とは違う状況でベンチ入りを果たせなかった選手たちを見て出た言葉だと思います。
たぶん、その選手たちより悲しくて寂しくて苦しい気持ちだったのではないかなと察します。
それでも、思いも一球に込めて投げたい・・・
あの冬諦めず前へ進んだから、そう思うことができたのです。
磯山選手は、「やめたいと思ったこともあったけど、終わってみるとやっぱり寂しい」と話してくれました。
あの冬、もう一度頑張ろうと前へ進まなかったら、この言葉を聞くことは無かったのです。
磯山選手の最後の夏へ向けて、漆原監督さんが残された言葉に、
我慢の連続であった。
今日は練習にしっかり来るかという不安や、もしかしたらやめてしまうかもしれないという不安。
それはない日の方が少なかったように思う。
一番は磯山が高校野球をやり切った時に、成長があり、そして「最後まで続けてよかった」と思えること。
そして、彼にやり通すことが、結果、ベストであればという思いで続けてきた。
一番は選手たちにとって「ベスト」であること。
その軸がぶれないでしっかりとしていればという思いだけは持ち続けた。
以前、北部高校と中条高校との連合チームを組んでいたころの日記には、
途中で何が一番ベストかわからなくなりそうな時もあった。
でも悩んだ末、決断をする時に覚悟が決まっており揺るがなければ、それはベストになると信じている。
と、監督さんご自身も気持ちが折れそうな状況だったこと、
それでも選手のベストとは・・・磯山選手の最後の夏へのベストとは・・・と、強い想いで
あの夏を迎えられたことを察する言葉を残されておられる。
夏を終えて、
「三年間、高校野球を続けて、やり抜いてよかった」
この言葉が磯山選手から聞けたことが、磯山選手にとっても、漆原監督さん、遠山部長さん
マネージャーさんが辿って来られた道のりの先にあった最高の「ベスト」であったのだろうと感じる。
辛いことも耐えて続けることに必ず意味がある。
無駄なことはない。
監督さんの想いが通じた一瞬に感動し、そして誰より重い磯山選手の言葉だと感じました。
磯山選手は今春から社会人となり、会社のチームで野球を続けられると伺いました。
大きな山を登り切ってくれた教え子が、卒業後も野球を続けてくれることは監督さん方の何よりの喜びですね。
それを磯山選手から直接伺うことができたことは、私も本当に嬉しかったです。
グラウンドへ伺ったのは3月11日
東日本大震災が起こった日であり、小宮山マネージャーさんは、あの震災で自分の将来の夢を見つけ今頑張っている。
そして何と、この日は磯山選手のお誕生日だったのです。
この日を選んで行ったこと、偶然ではなく、やはり必然だと感じました。
巻山さんと花岡監督さん、漆原監督さんとの繋がりがあり実現できたこと、
これも偶然ではなく必然だったのだろう。
巻山さん、花岡監督さんのご協力無くしては実現はできませんでした。
漆原監督さん、遠山部長さんが快く気持ちを受け入れて下さったから実現できたこと。
全てのみなさんに感謝の旅になりました。
本当にありがとうございます。
小宮山マネージャーさんへ出逢いの思い出に「大丈夫」という言葉を贈りました。
「大丈夫」という言葉には全てに「人」という文字が入っています。
人は人に支えられて毎日があるのですよね。
人も自分に起こる物事も全ては必然、縁だと思うのです。
「大丈夫」と前向きな気持ちで行動すれば、自分へ与えられる必然の結果が現れます。
もしその結果が思うような結果ではなかったとしても、そう気持ちを向けて頑張れた
一番大切な自分の想いというものは必ず残り、必然の結果を受け止め、
また前へ進もう!と強い心が生まれると思います。
必然の出逢い、それをより感じた素敵な松本 軽井沢野球旅ができたことは私の一生の思い出の旅になりました。
小宮山マネージャーさんへ。
素敵な笑顔をありがとう。
向日葵のように太陽に向かい明るい笑顔で最後の夏を迎えられるよう、
自分を信じ今を進んで行って下さいね。
「大丈夫」
遠いけど、近くで応援していますよ♪
春、新しい素敵な出逢いがありますように。
磯山選手へ。
突然の訪問に、グラウンドまで走って会いに来てくれてありがとう。
さすが元高校球児!
これからは違う環境になりますが、大好きな野球をたくさんの仲間と一緒に楽しんで続けて下さいね。
最後になりましたが、巻山さん 旅中には色々お世話になりありがとうございした。
岩村田高校野球部 花岡監督さん ご無理お願いし申し訳ありませんでした。
快く引き受けて下さったことに心から感謝致します。
ありがとうございました。
漆原監督さん、遠山部長さん
突然の自分の想いを快く受け入れて下さっただけではなく、嬉しいお言葉を下さり感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
勇気を持って行動しなければ何も起こらない・・・
想いを持って行動すれば何かが起こり、気持ちは必ず伝わる・・・
自分が行くことで何が届けられるのか?と行く前は自問自答することもありました。
旅の後、小宮山マネージャーさんからメッセージをいただき、
これから何かに挑戦したい時には昨日のことを思い出し、心の中で
「大丈夫」
そう思いながら頑張りたいと思います。
軽井沢と離れていますが、私は今日いただいたものを見れば
近くで応援していただいているような気がして頑張れそうです。
今日からまた気持ちが切り替わってできそうです。
野球って不思議なスポーツですね。
こうしてまた新しい出会いができました。
野球に興味なかった私が野球を始めて本当良かったなと
いまは心の底から思えます。
と・・・。
磯山選手はじめ選手のみなさんや、小宮山マネージャーさんの一所懸命な頑張りがあったから、
そして漆原監督さんや遠山部長さんの部員に対する大きな想いを感じることができたから、
私が軽井沢高校野球部へ行こう!元気を届けに行こう!と勇気をもらい行動できたのだと思います。
でも実際に行くまでは、この行動って自分の一方的な気持ちの押し付けなのではないか・・・と
自分の思う応援というものに対して、正直なところ不安いっぱいでありました。
しかし、想いを持って行動すれば気持ちは伝わること、
無謀な訪問でありみなさんを驚かしてしまいましたが、
自分の目指す「0」の中の応援がこのように形として残すことができたことを嬉しく思いますし、
今、自分ができる「ベスト」の応援をさせていただくことができたと確信できる
小宮山マネージャーさんからいただいた言葉に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
勇気を持って行って良かった!
そう思うことができた野球旅、貴重な経験をさせていただきました。
全てのみなさんに感謝致します。
またいつか軽井沢高校グラウンドへ行きたい!
部員のみなさんが笑顔で野球をする姿を見に行こう!と思う。
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松本 軽井沢 野球旅~出逢い 軽井沢高校野球部へ元気を届ける野球旅~
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